【春日部で始める終活講座④】手書きの遺言書でも「財産目録」はパソコン作成やコピーでOK!知っておくべき注意点と「検認」の手続き

「遺言書を書こうと思っても、複数の銀行口座や自宅の土地・建物の情報をすべて手書きするのは大変そう…」 「文字を書く手が疲れてしまって、途中で書き直すのも一苦労だなあ」
そう感じて、遺言書づくりを諦めそうになっていませんか?
自分の意思をしっかり残しておきたい気持ちはあるものの、細かな財産の情報を一つひとつ手書きするのは、かなりの体力と精神力が必要です。
しかし、ご安心ください。 2018年に民法という法律が改正され、現在は手書きの遺言書(自筆証書遺言)でも「財産目録」の部分だけはパソコンで作ったり、通帳などのコピーしたものでもOKになりました!
今回は、この便利な最新ルールの仕組みと、「手書き遺言に残された意外な落とし穴(家庭裁判所の検認手続き)」について分かりやすく解説します。
1. 遺言書本文は「手書き」、財産目録は「パソコン」で負担軽減!
これまで自分で書く遺言書(自筆証書遺言)は、最初から最後まで全文をご自身の筆で書かなければなりませんでした。そのため、途中で一文字でも書き間違えると最初から書き直さなければならず、大変な負担となっていたのです。
しかし現在のルールでは、以下のように役割分担ができるようになりました。
- 遺言書本文(手書きが必要): 「誰に何を渡したいか」「どんな想いを残したいか」という文章は、ご自身の筆で全文を手書きします。
- 財産目録(パソコン作成・コピーでOK): 銀行の支店名や口座番号、不動産の登記事項といった「数字や記号の羅列」は、パソコンで作成して印刷したものや、不動産の登記事項証明書や預貯金通帳のコピーをそのまま添付できます。
これにより、書き損じによるストレスが激減し、一気に遺言書を作成しやすくなりました。
2. 【注意】パソコン作成で一番多い「うっかり無効」の落とし穴
「パソコンで一覧表が作れるなら簡単だ!」と思いがちですが、ここには法律上の厳格なルールがあります。
特に注意したいのが、「財産目録のすべてのページに署名・押印が必要」というルールです。
パソコンで印刷した財産目録や通帳のコピーには、「すべてのページ」にご本人の署名と押印(本文で使った印鑑と同じもの)をしなければなりません。裏表に印刷した場合は、両面に署名・押印が必要です。
せっかくパソコンで綺麗な目録を作っても、1ページでも署名や押印が抜けていると、その目録自体が無効になってしまうため十分な注意が必要です。
3. 手書き遺言の最大の落とし穴「家庭裁判所の検認」とは?
「パソコンで目録を作って、本文だけ手書きすれば完璧だ」と思われるかもしれません。 しかし、ご自身で作成して自宅で保管する手書きの遺言書には、残されたご家族にとってもう一つ大きな壁が存在します。
それが「家庭裁判所での検認(けんにん)手続き」です。
自宅で保管していた手書きの遺言書は、あなたが亡くなった後、ご家族がそのまま銀行や法務局に持って行っても手続きには使えません。必ず家庭裁判所で検認という手続きを受ける必要があります。
相続人全員の戸籍謄本を揃えるのが非常に大変!
検認を申立てるには、亡くなられた方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本だけでなく、「相続人全員の戸籍謄本」を揃えて提出しなければなりません。 ご兄弟や子供たちが全国に散らばっていたり、関係が疎遠な親族がいる場合、この戸籍集めだけで何ヶ月もかかり、残されたご家族にとって多大な精神的・手続き的負担となります。
裁判所からの検認期日の通知と当日の出頭
申立てを行うと、家庭裁判所から相続人全員へ検認期日の通知が届きます。 「全員で裁判所に行かなければいけないの?」と不安になられる方が多いのですが、実は当日出頭するのは「申立人」と「出席を希望する人」のみで大丈夫です。必ず相続人全員が出席する必要はありません。
4. 【事例】ご家族のために残したはずの遺言書で…
以前ご相談に来られたA様のご家族のケースです。
亡くなられたお父様は「家族が揉めないように」と、丁寧に手書きの遺言書とパソコンで作成した財産目録を添えた遺言書を自宅の金庫に残されていました。
しかし、いざお父様が亡くなられた後、遺言書に封がされていないのでご家族が遺言書を確認すると、パソコンで印刷した財産目録に署名と押印が漏れてしまっていたのです。
さらに、検認手続きを行うために「相続人全員の戸籍謄本」を取り寄せねばならず、ご家族は大変なご苦労をされました。 兄弟間で連絡が取りづらい親族もいたため戸籍を揃えるだけで半年近くかかり、その間、銀行口座は凍結されたままでしたので、ご家族は途方に暮れてしまいました。
「家族のために」と思って残した手書きの遺言書が、結果としてご家族を苦しめてしまうことがあるのです。
5. 家族に検認の手間をかけさせない「確実な選択」
「手書きの不備リスクを避けたい」「亡くなった後に家族に戸籍集めや裁判所の手続きで苦労させたくない」
そう思われる方に専門家として一番お勧めしているのが、公証役場で作成する「公正証書遺言」です。
- 家庭裁判所の検認が不要: 亡くなった後、ご家族はすぐに銀行や不動産の手続きができます。
- 形式不備で無効になるリスクがぽぼゼロ: 法律のプロ(公証人)が作成するため確実に有効です。
- 手書きの負担が不要: 公証人が文案を作成するため、全文を自筆で書く必要がありません。
「残される家族に一番負担をかけない形」を選んでおくことこそが、本当の思いやりにつながります。
「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、お気軽にご相談ください
遺言書は、大切なご家族へ残す「最後の思いやり」です。
「自分で手書きとパソコンを使って作ってみようか迷っている」 「残された家族に裁判所の面倒な手続きをさせたくない」
そのような段階でのご相談も大歓迎です。
当事務所では、お客様が安心してお話しできるよう、春日部市近郊のお客様のご自宅への出張相談を中心に対応しております。
地元・春日部の皆様に寄り添う専門家として丁寧にお話をお伺いしますので、ご都合の方法でどうぞお気軽にお問い合わせください。
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