【春日部で始める終活講座③】スマホで遺言書が作れる時代に?話題の「デジタル遺言」の現在地と失敗しない注意点

「最近ニュースで『パソコンやスマホで遺言書が作れるようになる』と聞いて、気になっていませんか?」 「手書きは大変だから、スマホやパソコンでサッと書けるなら助かるなぁ」
そう思われている方も多いのではないでしょうか。
「デジタル遺言」や「スマホ遺言」という言葉が話題になり、「これなら自分にも手軽にできそう」と関心を持つ方が増えています。
しかし、当事務所でご相談をお受けしていると、このような誤解をされている方が非常に多くいらっしゃいます。
「スマホでメールを書くように遺言を作ったり、パソコンで打った文章を印刷したりしておけば、もう使えるんですよね?」
実はここには、手軽そうに見えるからこそ陥りやすい「大きな落とし穴」があります。
今回は、話題の「デジタル遺言」の最新の現在地と、手軽さの裏にある注意点、そして今すぐ確実に家族を守るための方法について分かりやすく解説します。
1. スマホ遺言は、どこまで進んでいる?
結論からお伝えすると、法律の改正案自体は成立し、制度の導入へ向けた整備が着々と進められている段階です。
しかし、実際にこの制度がスタートし、私たちが利用できるようになるのは少し先(遅くとも2029年頃までに順次施行予定)のことです。
ここで特にご注意いただきたいのは、「現時点では、パソコンで打って印刷した文章や、スマホのメモ機能に残したメッセージ、スマホで撮影した動画などは、法律上の有効な遺言書としては認められない」という点です。
【ご安心ください】手書きの遺言書でも、ここまで便利になっています!
「じゃあ、全部を手書きしなきゃいけないの?」と思われるかもしれません。
自筆証書遺言の場合、遺言書自体は全文を手書きで書く必要があります。ですが、実は手書きの遺言書も法律が変わり、とても作成しやすくなっています。
- 財産目録はパソコン作成でOK: 銀行口座や不動産の情報をまとめた「財産目録」は、パソコンで作成して印刷したものや、通帳のコピーを添付する形で提出できます(※本文は手書きが必要です)。
- 法務局の保管制度が使える: 作成した手書きの遺言書は、法務局で保管してもらう「自筆証書遺言書保管制度」が利用できます。これを使えば、自宅での紛失や破棄を防げるだけでなく、亡くなった後の家庭裁判所での手続き(検認)も不要になります。
現行の制度でも、工夫次第で十分に負担を減らして安全な遺言書を残すことが可能です。
2. 【ここがポイント】検討が進む新制度と、手軽さの裏にある注意点
「スマホやパソコンで作成できるようになれば、もっと簡単になるのでは?」と期待が高まりますが、実際の制度運用に向けては慎重な議論が続けられています。
遺言書は、あなたが亡くなった後にご家族の財産や生活を左右する最も重要な書類です。そのため、デジタル化にあたっても「なりすまし」や「誰かに無理やり書かされたのではないか」というトラブルを防ぐための厳格なルールが検討されています。
法務省等で検討されている主な手続きの方向性(※まだ最終決定ではなく、今後の省令等で詳細が詰められる予定です)としては、以下のような点が挙げられています。
- マイナンバーカード等による厳格な本人確認(電子署名や顔写真つき身分証の用意)
- 法務局への届出・申請(出頭またはWeb会議システム等の活用)
- 法務局の担当者の前で、作成した遺言内容を本人が確認・口述するような慎重な手続き
「画面上で文字を打って送信すれば終わり」といった単純な仕組みにはならない見通しです。 大切なご家族の権利を守るためのものだからこそ、国もこれほど慎重な本人確認手続きを検討しているのです。
3. 数年後の制度を待つより、今すぐ家族を守る「公正証書遺言」という選択
「数年後にデジタル遺言の制度が完全に整ってから考えようかな」と思われるかもしれません。 しかし、人の人生において「いつ何が起きるか」「いつ認知症などで判断能力が低下してしまうか」は誰にも予測ができません。
新制度の開始を待っている間に万が一のことがあれば、結局残されたご家族が、預貯金の解約や不動産の名義変更で大変な苦労をすることになってしまいます。
今すぐ確実にご家族を守りたいのであれば、公証役場で作成する「公正証書遺言」が最も安心で確実な選択肢です。
- 法律のプロ(公証人)が関わるため、形式不備で無効になるリスクがほぼゼロ
- 原本が公証役場に安全に保管されるため、紛失や改ざんの心配がない
- あなたが亡くなった後、ご家族が裁判所での複雑な手続きなしで、すぐに銀行や法務局で手続きできる
デジタル遺言の開始を待つ必要はありません。今すぐ作成できる公正証書遺言なら、ご家族へ最大の安心をプレゼントすることができます。
「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、お気軽にご相談ください
遺言書は、大切なご家族へ残す「最後の思いやり」です。
「デジタル遺言のニュースを見たけれど、今どう動くのが一番いい?」 「自分で書くか、公証役場で作るか迷っている」
当事務所では、ご相談者様が安心してお話しできるよう、春日部市近郊のご自宅やご指定の場所への出張相談を中心に対応しております。
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